アメリエフの技術ブログ

Amelieff Staff Blog

プライマー設計ソフト「Primer3」のGUIインターフェース

先々週の金曜日にアナウンスしました「Windows版 Primer3のGUIフロントエンド」について、多数のお問い合わせをいただいております。
この場を借りてお礼申し上げます。

Web版やコマンドライン版、有償のプライマー設計ソフトはいくつか存在しますし、バクテリアや特殊な条件など特化型のプライマー設計ソフトもいくつか存在します。

その中で「Primer3」は業界標準といっても過言ではないほど一般的な「オープンソース」のプライマー設計ソフトで、Web版とコマンドライン版が公開されています。

私自身、10年余り前にこの業界(SNPやバイオインフォマティクス分野)に入ってからの最初の5年間は、ABIのキャピラリーシーケンサーでヒトゲノムをリシーケンシングしながらSNPを探索するプロジェクトにも携わっていました。

サンガー法によるシーケンシングですので、PCRでの増幅とシーケンシングにプライマーの設計が欠かせません。しかも長い領域(数百kbp)を連続してシーケンシングするため、プライマー設計だけで何千ペア以上も設計することが度々ありました。

近年でも、SNPによるGWAS解析におけるReplication解析(2段階目や3段階目のSNP関連解析)の際に、SNP周辺をPCR増幅するためのプライマー設計で数千〜数万ペアを設計することもあります。

そんな事情もありましたので、Primer3には以前から大変お世話になってきました。Web版のPrimer3では1ペアずつしか設計できませんので、プログラミングをして、コマンドライン版のPrimer3で大量のプライマーを設計するノウハウを積み上げてきました。
(余談ですが、未公開ながらこれで論文を1本書いたこともあります。全ゲノムにBLASTして単一であることを確認したプライマーペアなので、実験成功率が10%ほど上昇しました。)

大量にプライマーを設計する理由として、、
1.連続した領域をシーケンシングする
2.SNPなどマーカーを起点としてPCRする
と考えましたので、そのようなプライマー設計をする際に便利になるであろうというGUIソフト(Windows版のPrimer3のGUIインターフェース)を開発しました。

開発は終わっているため、現在は公開に向けて準備中です。
公開までもう少々お待ちください。

ご意見やご要望などがございましたら、お問い合わせまでご連絡ください。