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アメリエフのブログ

Amelieff Staff Blog

変異の絞り込み 【1】

次世代シーケンサー解析

今回は、次世代シーケンサーを用いて検出した変異の絞り込み解析の具体例についてご紹介したいと思います。


次世代シーケンサーを用いた解析の難点のひとつに、多数の変異が検出されるため、目的の疾患に関連した遺伝子の探索が困難であることが挙げられます。そのため、目的変異を絞り込む手法が重要になってきます。
今回は、公開データベース及び推測される遺伝形式を用いた絞り込みについてお話します。

こちらの論文は、次世代シーケンサーを用いてある家系のexome sequencingを行い、その家系における遺伝性疾患の関連変異を特定した、ひいては、他の家系でも、同じ遺伝子上に変異がある罹患者が存在していること、その遺伝子が疾患に関わっていることを突き止めたという論文です。

NMNAT1 mutations cause Leber congenital amaurosis
Nat Genet. 2012 September; 44(9): 1040–1045

簡単に内容をご紹介しますと、

・レーバー先天黒内障(LCA、幼児期に視力が減退する病気)罹患者が多く生まれる家系があった
・LCAの罹患者やその血縁者でexome sequencingを行った
・絞り込み:
 1. 罹患者ではホモだが、視力に異常がない両親や罹患者の兄弟ではホモではない変異
 2. 非同義置換が起きている変異(コドンが変化しアミノ酸に置換が生じている)
 3. 新規の変異(dbSNP132、1000人ゲノムプロジェクト、NHlBI ESPに未登録)
 4. マウスの網膜RNA-seqで発現量が高いことが知られている遺伝子上の変異
 5. SIFT、Polyphen他、アミノ酸置換がタンパク質に与える影響を調べるプログラムで、タンパク質の機能を損なうとされた変異
→その家系のLCA原因変異を特定

特定された変異は

・NMNAT1遺伝子上にある
・25番目のヌクレオチドがGからAに置換(アミノ酸一次配列の9番目のValがMetに置換)


この研究の公開データを用いて、変異検出および絞り込みを行い、論文で報告された疾患の原因変異がを探し出せるか試してみました。

次回から、その変異検出と、検出後の絞り込みを行う過程をご紹介しようと思います。

変異の絞り込み 【2】変異検出
変異の絞り込み 【3】候補の絞り込み方
変異の絞り込み 【4】公開データベースを用いた候補の絞り込み
変異の絞り込み 【4.5】お詫びと訂正
変異の絞り込み 【5】変異のクオリティとインパクト
変異の絞り込み 【6】遺伝型による絞り込み