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ライフサイエンス新着論文レビュー

akbです。

ライフサイエンスのwebサイトを1つご紹介致します。

ライフサイエンス新着論文レビュー
FIRST AUTHOR'S


”新着論文レビューとは”サイトでも詳しくご説明されていますが、
Nature,Science,Cell などに代表されるトップジャーナルに掲載された日本人を著者とする生命科学分野の論文を、だれでも自由に閲覧・利用できるようWeb上にていち早く無料で公開しているサイトです。
特徴は、論文の著者自身が日本語で執筆しており、専門分野の異なる生命科学研究者向けに書かれていることです。

本日は、ライフサイエンス新着レビューで拝見した興味深い論文についてご紹介致します。

『母性因子PGC7はヒストンH3の9番目のリジン残基のジメチル化との結合を介し受精卵における5-メチルシトシンから5-ヒドロキシルメチルシトシンへの変換を阻害する』

2012年6月20日
中村肇伸・仲野 徹
大阪大学大学院医学系研究科 幹細胞病理学)

PGC7 binds histone H3K9me2 to protect against conversion of 5mC to 5hmC in early embryos.
Toshinobu Nakamura, Yu-Jung Liu, Hiroyuki Nakashima, Hiroki Umehara, Kimiko Inoue, Shogo Matoba, Makoto Tachibana, Atsuo Ogura, Yoichi Shinkai, Toru Nakano
Nature, 486, 415-419 (2012)

要約
5-メチルシトシンによるDNA修飾はエピジェネティックな遺伝子の発現制御に重要な役割をはたしている.
5-メチルシトシンはメチルシトシンデオキシナーゼTetにより5-ヒドロキシルメチルシトシンという別のDNA修飾へと変換されうる.
また,ゲノムにおける5-ヒドロキシルメチルシトシンと5-メチルシトシンとのバランスは多能性や細胞系譜の運命決定と密接に関係している.
母性因子であるPGC7は,初期発生において5-メチルシトシンから5-ヒドロキシルメチルシトシンへの変換から雌性ゲノムを保護することが報告されている.
今回,筆者らは,PGC7がヒストンH3の9番目のリジン残基のジメチル化を介して雌性クロマチンと結合し,
これをTet3による5-メチルシトシンから5-ヒドロキシルメチルシトシンへの変換から保護することを見い出した.
さらに,成熟した精子において,ヒストンH3の9番目のリジン残基のジメチル化の存在するインプリント遺伝子の制御領域にある5-メチルシトシンも,
PGC7との結合により保護されていた.このような制御機構は,初期胚と同様に体細胞においてもDNA修飾に関与していることが考えられた.

©  2012 中村肇伸・仲野 徹 Licensed under CC 表示 2.1 日本
(※ライフサイエンス新着論文レビュー 要約を参照)

日本語のレビューに頼ってしまうのは、英語の勉強にはならないと思いますが、いち早く&幅広く生命科学の情報を得るには適したサイトだと思います。
是非、ご覧になって下さい。