家系解析でもがん解析でも、原因遺伝子候補を絞り込んだ後のアノテーションが重要になります。
アノテーション方法の一つに、変異があった遺伝子がどのようなパスウェイ上にあるかを調べるパスウェイ解析があります。
今回、オープンソースのソフトウェアとデータを使ったパスウェイ解析の手順をご紹介します。
CytoscapeはCytoscape Consortiumが提供している、オープンソースの分子間相互作用ビューアです。
Windows版、Mac版、Linux版があります。
CytoscapeにReactome用プラグインを入れると、オープンソースのパスウェイデータベースであるReactomeを使った解析ができるようになります。
1. Cytoscapeのインストール
Cytoscapeのサイトから、お使いのマシン用のインストーラをダウンロードしてインストールします。
2. Reactome用プラグインのインストール
Cytoscape プラグインページの「Download and Launch the Reactome FI plugin」からcaBigR3.jarをダウンロードして
Cytoscapeのプラグインフォルダ(Windowsの場合デフォルトで C:¥Program Files¥Cytoscape_vx.x.x¥plugins)に置き、
Cytoscapeを再起動します。
3.テストデータのダウンロード
Cytoscape プラグインページの「Use the Reactome FI plugin」→「Gene Set/Mutation Analysis」からGeneSampleNumber.txtをダウンロードして適当な場所に置きます。
これは、遺伝子とサンプル数が2列1行になったデータです。
4. テストデータ読み込み
Cytoscapeのメニューバーの「Plugins」→「Gene Set/Mutation Analysis」を選択します。
Choose data fileでダウンロードしたテストデータ、Specify file formatは「Gene/sample number pair」を選択し、「OK」を押します。
Reactomeのパスウェイデータを使用して、遺伝子の関係が図示されます。
変異のあったサンプル数が多い遺伝子ほど大きく表示されます。
原因遺伝子候補がどのようなパスウェイ上にあるか、どのような遺伝子と関係があるか、見ることができます。