アメリエフの技術ブログ

Amelieff Staff Blog

Cytoscapeによるネットワーク図示

Cytoscapeは、複雑なネットワークおよびその属性の図示、統合、分析に用いられるオープンソースのソフトウェアです。 遺伝子ネットワーク、ソーシャルネットワーク、路線図など、点(node)と線(edge)で構成されるデータセットを可視化することができます。 データの可視化によって、全体像や何らかの傾向が把握でき、そのデータが意味するところを理解する手助けとなる可能性があります。 Cytospaceには、プラグインを追加することによって、化合物を扱う(ChemViz)、外部のパスウェイデータベースであるReactomeを利用する(ReactomeFIViz)というように、機能を大幅に拡張できるという特徴があります。

Cytoscapeは様々な種類のネットワークを記述したフォーマットを読み込むことができます。 一番単純なものは、線の起点と到着点を示す”source”、"target"、それから点と点を結ぶ線の種類を示す”interaction type”の3つの列から構成されるSIF(Simple Interaction File)フォーマットです。 下は、ソフトウェアのサンプルデータ”galFilterd.sif”を読み込んだものです。 galfiltered_1.png (46.0 kB)

また、レイアウトやスタイルを変えることで、図の印象を変えることができます。 galfiltered_2.png (25.5 kB) galfiltered_3.png (68.6 kB)

点(node)の持つ情報(attribute)をもとにして、スタイルを書き換えることもできます。 以下は、サンプルデータ中の”galFiltered.cys”を図示したものです。 ノードの発現量が"色"に、ノードの持つ離散値の属性が"サイズ"に対応しています。 galfiltered_4.png (110.7 kB)

作成したネットワーク図を、ウェブブラウザから扱えるインタラクティブな図として出力することができます。 f8402978-66f4-4dc8-9ed1-eeb4059b7cc3.png (137.1 kB)

執筆者自己紹介・インターンシップ感想

はじめまして。 3月からインターンシップで勤務しております、nakamurahと申します。 アメリエフでは2か月間、BEDフォーマットチェックスクリプトの作成、Cytoscapeによるネットワーク図示、Python+NetworkXを用いたネットワーク図示について、関わらせて頂きました。 お蔭様で、普段の研究室生活ではめったに使わないLinuxPythonに、慣れてきたように思います。 この知識を研究室の先生や学生に教えるなど、研究室の文明化に貢献でき始めているところです。

アメリエフでの勤務の感想として、ミーティングの時に見られるように、皆さん「目的」と「手法」、「利点と欠点」をはっきりさせて、論理的に議論される印象を受けました。 一方で、バイオインフォマティクスの分野は、次々と新しい手法が開発され、既存の手法でもバージョンが更新されて対応が必要になるように、常に最前線に立ち続けることが非常な困難を伴う分野であると感じました。

私が普段扱っている非モデル植物の研究は、最先端の技術が使われる生物から1回りも2回りも遅れています。 この状況を改善するために、これからも技術の向上に邁進していきたいと思います。