アメリエフの技術ブログ

Amelieff Staff Blog

Vagrantを用いた仮想環境構築

バイオインフォマティクス初心者が勉強を始める際に、最初に立ちはだかる壁は、Linuxという未知のOSとの相対だと思います。 最近はVirtualBoxなどの仮想化ソフトもネットにたくさんありますので、導入すること自体は皆さんできるかと思います。しかし、もし...

  • パソコンを新しくしたから、昔と同じ仮想環境を新しいパソコンでも構築したい
  • 複数の端末で同じ仮想環境を使用したい
  • 仮想環境のバックアップをとっておきたい

ということを思った時に、仮想化ソフト単品ではなかなか難しいと思います。だからといって、仮想環境内で色々なアプリを入れた後に、全く同じ環境を他の端末で作るのは、普通にやっていたらかなり時間を取られてしまいますし、ツールのアップデートが知らない間にされていて、微妙に挙動が合わなかったりします。

そのようなときに便利なのが仮想化ソフトのラッパーであるVagrantです。

Vagrantでできること

VagrantはVirtualBoxなどの仮想化ソフトに追加機能を与えてくれるアプリ、と思って頂けたら良いと思います。主な特徴として

  1. 構築環境を記述した設定ファイルを元に仮想環境の構築から設定を自動化できる
  2. 一度構築した仮想環境をboxというパッケージにエクスポートすることができる

があるのですが、要は一度設定した構築環境を複数の端末で再現するのにうってつけというわけです。 もちろんCLIも有りますので、サーバーのターミナル上で仮想環境を構築したい場合にも使えます。開発ツールのテストとかにも使えるので、初心者以外でも有用です。

使い方は色々な方がネットで説明されていますので割愛・・・。 今まで仮想化ソフト単品で仮想環境を構築再構築に明け暮れていた方は、Vagrantで自動環境構築にチャレンジしてみましょう!

執筆者自己紹介・インターンシップ感想

はじめまして、アメリエフにインターンに来ているnomatです。 アメリエフでは、ツールのテスト・デバッグ・マニュアル作成や、研究調査に携わっております。

私は大学では実験メインで活動してきた学生なものですから、インターン開始直後はTerminalで操作することすら覚束ない初心者丸出しの状態でした。しかし、アメリエフの解析担当者の皆様にご指導いただき、今ではバリバリコマンドを打って・・・いる気がします(多分)。 この手の操作方法やテクニックはウェットメインの学生でも有用なところが多いですし、最近は解析用OSSも豊富にありますので、是非とも学部時代とかに教えるようにしていただきたいですね。

アメリエフでは2ヶ月勤務させていただきましたが、とてもオープンな雰囲気で、充実した時間を過ごすことができました。勤務内容に関してはもちろん、日頃疑問に思っていたことを解析担当者の方に質問すると、スパっと答えてくださるので、色々と勉強させていただきました。 バイオインフォマティクスを始めてみようかなと考えるウェット系のラボの学生の多くは、周りにインフォの知識を持つ人が少ないため、独学でやっていると思います(私もそうでした)。しかし、やはり知識と技術を持つ人に聞きながら勉強すると、上達が早いです。 何より、情報系の人が当たり前のようにやっている「常識的な事」というのは、案外ネットの情報だけではつかみにくいものが多いです(ディレクトリの配置はこうしたら効率的、など)。これらを勉強できたのは私にとって大きな収穫でした。

最近のバイオ研究ではインフォマティクスは必須になりつつあります。これから研究に携わる学部生も、ウェットしかやってこなかった院生も、一度バイオインフォマティクスに触れてみましょう! その際にアメリエフのインターン、おすすめですよ!