空間的遺伝子発現解析入門③

こんにちは、受託コンサルティングチームの hosor です。


前回 は空間的遺伝子発現解析のシーケンスベースのプラットフォームを解説しましたが、今回はイメージングベース (Imaging-based) のプラットフォームを深掘りしていこうと思います。

より具体的には、Xenium, CosMx の 2 つの特徴や違いについて記載していきます。


空間

※ 本記事は、各技術の一般的なユースケースを基にしています。ただし、プラットフォームごとに例外やアップデートが多い世界なので、細かい特徴は必ずしもここでの説明通りではありません。"大まかなイメージ" として読んでいただければ幸いです。また、詳しい内容は弊社にお問い合わせください。

復習|イメージングベース (Imaging-based) とは

組織内で標的 RNA に蛍光プローブを結合させ、その蛍光を検出することで、高解像度に発現位置を特定する技術です。

長所はサブセルラーレベルでの詳細な解析が可能なこと、短所はあらかじめ決まった遺伝子しか検出できないことです。

Xenium In Situ (10x Genomics 社)

標的 RNA に結合した南京錠型のプローブを閉じてから何度も増幅するため、特異性が高いことが特徴です。

なお、遺伝子パネルには複数の種類があり、約 300 遺伝子や約 5,000 遺伝子の RNA が検出可能です。

解析面積は 10.45 mm × 22.45 mm ほどであるため、CosMx に比べて広い領域を対象としたいという場合に適しています。

https://www.10xgenomics.com/support/software/xenium-onboard-analysis/1.9/algorithms-overview/xoa-algorithms より抜粋

解析例

クラスタリング結果を空間座標に反映させたプロット

着目転写産物の局在を空間座標に反映させたプロット

図は以下より抜粋しました。

satijalab.org

CosMx SMI (Bruker 社)

大量の分子を識別することが可能であり、パネルによっては約 6,000 遺伝子や約 19,000 遺伝子 (Whole Transcriptome) の RNA が検出可能です。

解析面積は 0.5 × 0.5 mm の領域 × 50 個、というイメージです。

より多くの RNA を検出したいという場合におすすめです。

https://jp.nanostring.com/products/cosmx-spatial-molecular-imager/cosmx-smi-overview/ より抜粋

解析例

細胞種同定の結果を空間座標に反映させたプロット

着目転写産物の局在を空間座標に反映させたプロット

図は以下より抜粋しました。

satijalab.org

まとめ

今回は、イメージングベースの代表的なプラットフォームについて解説しました。

検出する遺伝子のパネルには色々な種類があり、最近では Whole Transcriptome のパネルも登場してきていますので、ご興味がございましたらお問い合わせください。

次の記事では、空間的遺伝子発現解析の新技術 Trekker の解説をしていく予定です!