一昨日は、UCSC GenomeBrowserでCNVデータのカスタムトラックを作成しました。今日は、図を少しアレンジしたいと思います。
通常ヒトの細胞には、父由来と母由来の2コピーの遺伝子があると考えられていますが、実際は遺伝子のコピー数が、1コピー以下に減ったり、3コピー以上に増えたりしていることがわかっています。このように、個人によってコピー数の違うゲノム領域のことを、CNV(Copy Number Variation:コピー数多型)と呼んでいます。疾患に関与するCNVもありますが、健康なヒト同士の細胞を比較しても、CNVに違いがあることから、個人差に関与する遺伝的要因のひとつとしても注目されています。
上の図では、1サンプルのデータを、2種類のカスタムトラックで表示しました。
「Tsp1_dup」トラックが重複、「Tsp1_del」トラックが欠失を示しています。2コピーを基準にして、+1だと3コピー、-1だと1コピーと考えてください。
次に、2サンプル分を並べて、共通する部分のカバレージを表示しました。
さらに、表示を工夫してみます。
Custom Tracksで、重複はhide、欠失はdenseを、クリックメニューから選択します。各トラックの名前をクリックすると詳細な設定もできます。
refreshボタンをクリック
さっぱりしましたね。
manage custom tracksボタンをクリックすると、一括削除も簡単に行えます。
特定の遺伝子にフォーカスしたい時や、コントロールやデータベースと比較したい時には、多様なアノテーション情報を活用できるUCSC GenomeBrowserはやはり魅力的だなと思います。