今週土曜日から、バイオインフォマティクス・スクール「Linux基礎」が始まります。
本コースでは、Linuxをあまりお使いになったことがない方に、Linuxの基本的な使い方からバイオ系ソフトウェアのインストール〜実行までを、実際に手を動かして学んでいただきます。
LinuxのCUIに接して最初に戸惑うのが、「ディレクトリ間の移動」「環境変数PATH」「アクセス権限」あたりではないでしょうか。
「ディレクトリ間の移動」
ディレクトリ間の移動で混乱しがちな原因の一つが、「自分が今どこにいるのかわからなくなる」ことではないかと思います。
今いる場所がわからなくなったら、「pwd」コマンドを実行しましょう。
pwd→今いる場所の絶対パスを表示する
【pwd 実行例】
$ pwd
/home/hat
「絶対パス」という言葉が出てきました。これに対して「相対パス」というものもあります。
絶対パスは「どこから見ても通じるパス」、相対パスは「今いるところから見たパス」です。
例えば「JR浜松町駅」から「弊社(東京都港区海岸1-7-8 東京都立産業貿易センター浜松町館6F)」に移動する場合に
「/銀河系/太陽系/地球/日本/東京都/港区/海岸1-7-8/東京都立産業貿易センター浜松町館/6F部分にワープする」
と指定するのが絶対パスで、
「北口改札を出て右側に5分くらい歩くと右側に東京都立産業貿易センター浜松町館があるので6Fへ上る」
と指定するのが相対パスです。
近い場所に行きたい場合は相対パスが簡単ですし、少し遠いところに行きたい場合は絶対パスのほうが間違えづらいかもしれないですね。
ちなみに、絶対パスは「/」で始まって、相対パスはフォルダ名や「../(=今いるディレクトリの一つ上のディレクトリの意)」などで始まります。
絶対パスと相対パスを理解したら、他のディレクトリに移動してみましょう。
ディレクトリ間の移動は「cd」コマンドで行います。
cd→他の場所に移動する
【cd 実行例1】
$ cd /usr/local # 絶対パスで指定
$ pwd
/usr/local
【cd 実行例2】
$ cd bin # 相対パスで指定
$ pwd
/usr/local/bin
【cd 実行例3】
$ cd # cdだけ実行するとホームディレクトリに移動
$ pwd
/home/hat
ちなみに、パスを途中まで入力して「Tab」キーを押すと、パスが補完されます。
【cd 実行例4】
$ cd /usr/local/ # ここまで打って「Tab」キーを2回
bin/___etc/___games/___include/___lib/___lib64/___libexec/___sbin/___share/___src/
# /usr/local/の下にあるサブディレクトリが表示されます
# (サブディレクトリがない場合は何も出ません)
pwd, cdに加えて、最低限以下のコマンドさえ知っていれば、Linux上で少し自由に動けるようになるのではないでしょうか。
ls→今いるディレクトリに存在するファイル/ディレクトリ、およびそれらの属性を表示する
mkdir→新しいディレクトリを作る
それぞれのコマンドの使い方は、コマンドに-hをつけて実行したり(-hでヘルプを出すようになっているコマンドの場合)、「man」コマンドで見ることができます(マニュアルがないコマンドもあります)。
man→コマンドの使い方を見る
【man 実行例】
$ man pwd # 使い方が表示されます。「q」で終了します。
「環境変数PATH」「アクセス権限」については後日。
間違いやわかりづらい点などありましたら、ぜひご意見をお寄せください。