私は生物学出身なのですが、学生時代は生物の「行動」に興味があり、分子生物学はあまり身を入れて勉強していませんでした。
そのつけがたたり、バイオインフォマティクスのお仕事をさせていただくようになった当初はわからないことだらけでした。
この業界に入れていただいて随分たった今でも「なんとなくわかった気になっているけど本当はよくわかっていないこと」がたくさんあります。
最近、改めてきちんと分子生物学を勉強しなくてはいけないなと反省し、以下の本を購入しました。
カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第3巻 分子生物学 (ブルーバックス)
石崎 泰樹,丸山 敬,吉河 歩,浅井 将
この本は、マサチューセッツ工科大学の一般教養の生物学講義で使われている教科書「LIFE」から、抜粋して翻訳したシリーズの第三巻です。
内容はシグナル伝達・発生・免疫などで、最近の話題も盛り込まれています(訳注でIPS細胞についても触れられています)。
いいなと思ったのは次の2点です。
・図やグラフが多く、直感的にわかりやすい
・導入がうまく、内容に入りやすい
「導入がうまい」点ですが、シグナル伝達の導入として「コーヒーの話」、組み換えDNAの章の導入として「行方不明だった赤ちゃんが見つかった時に自称・親が何人も名乗り出てきた話」が使われていて、読み物としても楽しめる内容になっています。
私のように分子生物学をコソ勉したい方におすすめです。
第一巻は細胞生物学、第二巻は分子生物学ですが、そちらもぜひ読んでみたいと思いました。