こちらのブログでも紹介しているプライマー設計ソフト
「Primer3」ですが、セットアップ方法や使い方についての
お問い合わせをいくつか頂いております。
Windows版も公開されていますが、
基本的にはCUI(コマンドライン)上で動作させるプログラムなので、
少々敷居が高くなっています。
使い勝手が良いのは、Mac OS Xや
Linux上で動作させることですので、
私たちはLinux(CentOS 5.4 64bit)で動作させています。
そこで、私たちが利用しているLinuxサーバーで使用する方法を
簡単にご説明したいとおもいます。
大まかな流れは以下になります。
(用語がわからなくても、とりあえず無視してください)
1.ソフトをダウンロードする
2.コンパイルする
3.適切な場所(ディレクトリ)に配置する
4.コマンドラインから実行して動作確認する
1.ソフトをダウンロード
Primer3の「Downloadページ」から、
圧縮されたプログラムをダウンロード。
ここでは、安定版であるRelease 1.1.4 (Apr 28, 2008)の
「primer3-1.1.4.tar.gz」をダウンロードしました。
2.ダウンロードしたファイルを展開し、コンパイルします
※)root権限が必要な操作もありますので、
rootユーザーで実行することをオススメします
# mkdir /usr/local/primer3 # Primer3用のディレクトリを作成(ディレクトリ名は一例です)
$ cd /usr/local/primer3 # そのディレクトリ内に移動
$ tar zxf primer3-1.1.4.tar.gz # 展開
$ cd src # プログラムが収められているフォルダに移動
$ make # コンパイル
無事に、primer3_coreというファイルが
出来上がっていることを確認します。
3.適切な場所に配置
使い勝手を良くするため、
以下のようにリンク(ショートカット)を作成しました。
# cd /usr/local/bin # パスが通っているフォルダに移動
# ln -s /usr/local/primer3/src/primer3_core primer3 # primer3というリンクを作成
4.動作確認
Primer3を展開したディレクトリにサンプルファイル
「example」がありますので、これで動作確認します。
$ primer3 < example
すぐに大量の情報が画面に流れてきましたか?
それぞれの項目の意味は、Readmeファイルを参照いただくとして、
最低限利用する項目だけ以下にリストします。
・PRIMER_SEQUENCE_ID=example
・PRIMER_LEFT_SEQUENCE=TGACNACTGACGATGCAGA
・PRIMER_RIGHT_SEQUENCE=ATCGATTTGGGTCGGGAT
・PRIMER_LEFT=15,19
・PRIMER_RIGHT=94,18
・PRIMER_LEFT_TM=57.619
・PRIMER_RIGHT_TM=60.096
特に設定をしないと通常は複数のプライマー候補が設計されますので、
「PRIMER_LEFT_2」などと番号が付いた項目となります。
【まとめ】
はっきりいいまして、
このままだと不便で使い物になりません。
プログラムを組んで自動的に大量のプライマー設計をする用途には向いていますが、一つ一つのプライマーを設計する場合は用意されているWebインターフェースを利用した方が便利です。
大量にプライマーを設計する場合は、プログラムを作成して自動化するか、
外注するかになるとおもいます。
この状況は実験をするうえで大変不便ですので、Webインターフェース上で大量にプライマーを設計するSaaS型サービスを準備中です。
現在でもプライマー設計サービス(ヒト・マウス・酵母・大腸菌など)はアメリエフで受注していますが、
わざわざ注文しなくてもWeb上で自身で何度でもプライマー設計できるようになる予定です。
詳しくはお問い合わせください。
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