Reseq
ReseqはDNAの変異を検出するための解析です。
既知の全ゲノム配列と、新たに解読した個体の全ゲノム配列を比較し、変異箇所を同定することができます。
詳しくはこちら↓
https://amelieff.jp/commissioned/reseq/ https://staffblog.amelieff.jp/entry/2020/04/27/120000
Reseq解析のためのツール
ここでは、一般的によく用いられるReseq解析のツールを簡単にご紹介します。
BWA
DNA-seq由来のリードをリファレンスゲノム配列にマッピングするためのツールです。
ロングリードにも対応しており、SNVやindel変異が入ったリードであっても、そのgapを許容してマッピングできます。
GATK
マッピング結果とリファレンスゲノムを使って、変異箇所を同定します。複数サンプルの変異情報を統合することができ、サンプル間での変異の違いなどを簡単に比較検討できます。
その他
その他にも様々なツールが開発されています。目的に応じてツールを使い分けることが重要です。
例えば、下記論文 (Koboldt, Genome Medicine 2020) では、腫瘍などの体細胞をターゲットにしたものや、生殖細胞をターゲットにしたものなど、目的に応じてどのツールを選択すればよいのか綺麗にまとまっています。
https://genomemedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13073-020-00791-w
少し具体的な例ですが、近年、バクテリアなどでもReseqができるようにパイプラインが構築されました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6562250/
生物種によっては一般的なパイプラインでは解析精度が低い場合があります。特にユニークな生物を用いる研究者にとっては、ツールの選択が最も頭を悩ますところなのではないでしょうか。
筆者自己紹介・インターンシップ感想
はじめまして、アメリエフでインターン・アルバイトとして勤務しているtsuyuhです。アメリエフでは、omics解析に関連する各種ツールのテストなどをおこなっています。
私は、大学でwet中心の研究室に所属し、wet実験とdry解析の二刀流で研究を進めてきました。wetの研究者がdryの知識・経験を身につけることの重要性は身に染みて理解しています。大仰な言い方かもしれませんが、これからの生命科学を発展させるためには、wetとdryの両方を的確に融合させることが必須だと思っています。しかしながら、wet的な考え方とdry的な考え方の間には大きな乖離があるのが現状です。そのため、wetとdryの橋渡しとなるような人間が、この時代に特に重要な人材なのではないかと考えます。そんな中、アメリエフでのインターン・アルバイトを経験し、実務を通してその気持ちがますます強くなりました。私自身、少しでもそのような人材に成長できていれば幸いです。
また、私自身がそうであったように、wetの知識を持つ人間がwet的な考え方を以ってdry解析の経験を積むことで、個々の研究をさらに昇華させられるのではないでしょうか。そういった意味でアメリエフのインターンという環境は、wet実験に携わる学部生・修士・博士学生すべてにおすすめです。私もアメリエフの社員の方々からは、細かいプログラミングの技法から生命科学 / バイオインフォマティクスに対する考え方まで、様々なことを学ばせていただきました。ありがとうございました。